「よかった。じゃあ、もう少し練習しよっか」


「はい」


バックから違う楽譜を取り出して、ピアノの上に乗せる。


「ここがね、上手く弾けないの」


「ああ。ここはね・・・」


みちる先生の綺麗な手が、ピアノの音を鳴らす。


「分かった?弾いてみて」


「はい」


それから何回もピアノを弾いた。


「うん。上手になったわ」


「ほんと?」


「優音ちゃんは覚えるの早いからね。さっ、今日はもう終わりにしようか」


「はい」


ピアノのふたを閉めて、教室を出る。


そのままみちる先生と二人で、先生の家に入った。