音を奏でて~放課後の音楽室~

「親にいい顔する必要はない。いい子でいる必要はないんだよ」


うんん、と首を横に振る。


「うっ・・・」


その瞬間、急に襲ってきた吐き気に、私は急いで音楽室を飛び出した。


「清水さん!」


一番近くのトイレに入って、水道の蛇口を思いっきり捻る。


「うっ・・・こほっこほっ」


吐くものなんて何もない。


だって、朝ご飯はジュースを飲んできただけだもん。


それでも、吐き気は治まらない。


「清水さん」


先生が女子トイレに入ってきて、私の背中をさすってくれる。


「すぐに水を取ってくるから、ここで待ってられるな?」


こくんとうなずく。


私の頭に手を置いて、先生はトイレを出て行った。