音を奏でて~放課後の音楽室~

仕事は休めないから。


おばあちゃんと花音に何かあったとき、すぐに駆けつけられる人がいないのは困る。


「だから、優音には悪いけど」


「なに?」


「大学進学は、諦めて欲しい」


「えっ?」


大学を、諦める?


何、言ってるの?


「じゃあ、私・・・」


「就職して欲しい。もし就職出来なくても、バイトとかして、自分の生活は出来るようにして欲しい」


「優音、お願い」


お父さんとお母さんに頭を下げられる。


「ピアノはやめなくてもいいから。ねっ」


「うん」


おばあちゃんと花音のために、私が我慢すればいいんだよね。