「花音もあの状態だ。最近は喘息の症状もよく出てて、いつ普通の生活が出来るようになるか分からない」


花音がいつまでも普通の生活が出来ない原因のひとつに、喘息がある。


息が出来ないくらい苦しくなって、お医者さんの助けが常に必要なの。


「このままだと、おばあちゃんと花音にかかるお金が、どれくらいになるか分からない」


お金、か。


ただで治療してもらってるわけじゃないもんね。


聞いたことがある。


今の時代、医療行為はサービス業の一種になりつつあるって。


誰だって、お金を貰わなきゃ、仕事したくないなって思っちゃうよね。


「おばあちゃんが老人ホームにいたときは、保険とか今までおばあちゃんが貯めてたお金でなんとかなってた。これからもそのお金を使うつもりだ。でもそれだけじゃ足りないんだ」


「それは、分かったけど・・・」


お金が必要なことは分かった。


でも私に言われても、まだ高校生だし、どうしようもないよ。


「お母さんも働きたいんだけどね。花音やおばあちゃんに何かあったらと思うと・・・」


「うん」