「やめる理由は?」


「私と葵のことで、部員のみんなに迷惑をかけてるから」


「君はそれでいいの?」


いいのって聞かれたら、素直にはいとは言えない。


でも、もうしょうがない。


「しょうがないです、もう。私が我慢すれば、全てよくなるから」


「我慢、ね」


「だって先生。私分からないんです。我慢をする以外の方法を」


急に先生の手が伸びてきて、私の頭をなでる。


「言えばいいんだよ。思ってること全て」


「どうやって言ったらいいの?それすら分からないの、先生」


ズバズバものを言えるくせに、肝心なことは言えない私。


一番言いたいことは、心の奥深くにずっとしまってきたから。


その伝え方が、よく分からない。


「だからやめるの、先生」