音を奏でて~放課後の音楽室~

自分で蒔いた種は、自分で摘み取らないといけない。


たとえ、どんなに醜い花が咲いたとしても。


「我慢は、慣れてるでしょ?」


今までだって、いろんなこと我慢してきたじゃない。


今回だって、我慢すればいい。


「でも・・・」


ほんとに大好きだったの。


だからかな?


いつまでも涙が止まらなくて、結局部活に戻ることが出来なかったんだ。


「優音先輩」


やっと私が動き出したのは、部員が帰って音楽室が静かになったころ。


クラリネットを持って音楽室に戻ろうとしたとき、二人の後輩が私のところにやって来た。


「どうかした?」


「あの、ちょっと話があって」


二人の真剣な目に、私は小さくうなずいた。