音を奏でて~放課後の音楽室~

するとその中にいた葵と目が合い、クスッと笑われた。


「優音、こわーい。睨まないでくれる?」


葵と一緒にしゃべってた子たちも、クスクス笑う。


「私に文句言うのはいいけど、他の子たちの邪魔しないでくれる?しゃべりたいなら、他でしゃべって」


「なっ!」


葵がキッと私を睨む。


それからフッと鼻で笑った。


「やっぱり優音は優等生のいい子ちゃんだね。自分のことよりみんなのこと考えて。私たちは幸せだね。いい部長さんを持って」


クスクス笑いながら、周りのみんなとねーなんて言って盛り上がってる。


「いい加減にしてくれるかな?練習始めたいんだけど」


「あれ?なんで怒るの?褒めてるのに」


褒めてる?


私には、嫌味を言ってるようにしか聞こえないんだけど。


ああ、このまま私が口を開いたら、部活が始まらない。


グッと言葉を飲み込んで、部活開始のあいさつをした。