「ん?」


「先生?」


角を曲がってすぐ、先生の足が止まる。


「救急車?」


先生の視線を追って私も前に視線を移すと、なぜか私の家の前に救急車が止まっていた。


もしかして、花音?


そう思った私は、急いで家の前まで駆けつけた。


「ここは、清水さんの家?」


「はい」


私のあとを追ってきた先生の質問に、うんとうなずく。


「とにかく、家に入りなさい。俺はもう帰るから」


「あっ、はい」


先生に頭を下げて門を開けたとき、玄関から救急隊員の人が出てきた。


そのあとすぐに、担架に乗せられた人が運び出されてくる。


「あっ・・・ウソ」