『学校あるんだろ? 一度帰らないと…』

「大丈夫だよ、ちゃんと用意持ってきたし。植田さんが学校まで送ってくれるってさ!」

……全然、大丈夫なんかじゃない。



『何? アネキは何がしてーんだよ』


「え?」

一言だけ残して俺は電話を切った。

分かってる
こんなの完璧な八つ当たりだ。
俺がアネキにこんなこと言う資格なんかなくて…
“弟”として応援しなきゃならないことぐらい
分かってる。


でも頭で思っても、
心がついていかない


―――誰かのモノなんかにならないで