「ほら、篠山くん早く!!」

國さんの腕が俺の腕に伸ばされようとした瞬間…
アネキが下唇を噛んだのが目に入った。




「え…」

そう言ったのはアネキか國さんなのか分からない

でも引き寄せられるように、
本当に無意識に
俺は香奈の腕を掴み自分の元に寄せていた。



『やっぱ、教室行こ』

「…でも」

『スカート』

「え?」

『だから心配』


一瞬目を丸くした後に顔をクシャっとしながら

「ありがと!!」

と嬉しそうに言った。
國さんがその俺らの姿をジッと見ていたなんて知らずに……

2人の世界に入ってしまっていた。