『―――NO.10、キノウテイシ。ギアノロックヲカイジョシマス。』
白光の後に訪れた暗闇に慣れきっていた眼に、ちかちかとした電子的な筆態で『LOG OUT』という文字が飛び込んだ。
それは瞬く間に細い線となり眼前から消え失せ、かしゃん、という乾いた音と共に先刻のそれとは違った種の光が僕の双眸へと映る。
「………あら、ようやくお帰り?」
「遅かったなあ。お前が一番最後だぜ、レイ」
だはは、とバリーが笑う。僕は頭をかりかりと掻きながらぼそぼそと呟いた。
「………うん、ちょっと色々あってね。まあ取り敢えずお疲れ様、二人共」
お前もな、とバリーが特殊なヘッドギアを外しかけていた僕の胸を小突いた。思いの他力が強かったので、バーチャル世界から帰りたての僕は軽くふらつく。
クレイは仏頂面を崩すことなく、にこりともせずに僕に会話を持ち掛けた。そこには僕がまだ疲れているかも………などといった配慮は皆無であるかのように見える。
そんな事を考えているのを悟られないよう、僕は穏やかな微笑を浮かべながら彼女の方へと顔を向けた。
「それにしても、本当随分と長引いたものね。貴方の前に脱落した人から、六分くらい経っていたわよ」
「え………そんなに?」
正直な所、最後の目標以外を撃墜するのに五分程度しかかかっていないはずだった。それでいて最後の離脱者から六分経ってからのリタイアということは、そこそこに僕の身体が固まっていた時間は長かったらしい。僕は益々その理由を知ることを心中で求め始めており、当然出ない結論に首を傾げる。
「………まぁ、貴方があっさりと敵に打ち負かされるっていうのも、それはそれで俄かに信じ難いけれど。で、結局貴方何体撃墜したの?」
「え?僕?………僕は四体だけれど」
場の空気が瞬時にどよめく。
驚きに眼を剥いているのは、バリーだけではない。少なくともその周囲に二人程僕はその姿を認める事が出来た。
白光の後に訪れた暗闇に慣れきっていた眼に、ちかちかとした電子的な筆態で『LOG OUT』という文字が飛び込んだ。
それは瞬く間に細い線となり眼前から消え失せ、かしゃん、という乾いた音と共に先刻のそれとは違った種の光が僕の双眸へと映る。
「………あら、ようやくお帰り?」
「遅かったなあ。お前が一番最後だぜ、レイ」
だはは、とバリーが笑う。僕は頭をかりかりと掻きながらぼそぼそと呟いた。
「………うん、ちょっと色々あってね。まあ取り敢えずお疲れ様、二人共」
お前もな、とバリーが特殊なヘッドギアを外しかけていた僕の胸を小突いた。思いの他力が強かったので、バーチャル世界から帰りたての僕は軽くふらつく。
クレイは仏頂面を崩すことなく、にこりともせずに僕に会話を持ち掛けた。そこには僕がまだ疲れているかも………などといった配慮は皆無であるかのように見える。
そんな事を考えているのを悟られないよう、僕は穏やかな微笑を浮かべながら彼女の方へと顔を向けた。
「それにしても、本当随分と長引いたものね。貴方の前に脱落した人から、六分くらい経っていたわよ」
「え………そんなに?」
正直な所、最後の目標以外を撃墜するのに五分程度しかかかっていないはずだった。それでいて最後の離脱者から六分経ってからのリタイアということは、そこそこに僕の身体が固まっていた時間は長かったらしい。僕は益々その理由を知ることを心中で求め始めており、当然出ない結論に首を傾げる。
「………まぁ、貴方があっさりと敵に打ち負かされるっていうのも、それはそれで俄かに信じ難いけれど。で、結局貴方何体撃墜したの?」
「え?僕?………僕は四体だけれど」
場の空気が瞬時にどよめく。
驚きに眼を剥いているのは、バリーだけではない。少なくともその周囲に二人程僕はその姿を認める事が出来た。

