『―――同期は、成功したようですね。では、次のチュートリアルに移りましょう』
僕の脳が、その言葉を認知した途端。
視界に再び霞がかかり、目先が白くなる。少ししてから、僕の瞳にまた景色が戻ると、そこは先程とは打って変わり自然に包まれており、緑林は茂り、見上げると無限に拡がる蒼穹には、無慮数百を超えるかという程の鳥が羽ばたいており、喧しいくらいに鳴き叫んでいた。
美しい情景に感動していた僕は、ゴーグルにちらつく電子光を見て、まだチュートリアルの途中だったという事を不意に思い出した。瞬間、脳に穏やかな振動が走る。
『―――視界は、良好でしょうか?では、これから二つ目のチュートリアルを行います』
僕の視界が映るゴーグルに、一、二、三―――計五つの赤く小さな光球が浮かび上がる。
これは何だ、と首を傾げていると、もう一つぽつり、と青い光球が現れた。全く、状況が掴めない。
『モニターに、光が浮かんでいるのが確認出来るでしょうか?それは、貴方とこれからテストに現れ、迎撃するべき敵―――《Level.1 インプ》との位置関係を示したマップであり、赤の光は敵を、青の光は今貴方が搭乗している機体―――《Level.4 ジャッジマン》を表しています。その監理マップは青の光―――つまるところ、貴方を中心に展開しています。それを踏まえ、これから開始するチュートリアルクリアーに役立ててください』
無感情な音声が、脳髄を刺激する。
僕はこれから始まるテストの内容を概ね理解し、画面一杯に拡がる邪魔なマップを縮小し、ゴーグルの右下へと寄せる。どうにか開けた視界には、大体赤い光が位置する場所に、僕の目線―――とは言っても機体からの目線であるため、ここでの『僕』は全長十メートル以上に及ぶのだが―――から見て、胸くらいかそれより下くらいまでしかない小さな機体がぽつりと屹立していた。小さなそれは、か細い二脚に支えられており、脚と頭………なのかどうかは解らないが、ひらべったい板状の物が、直接連結している。いつの間にやら自然に動いていた右手は、ヘルメットにおけるこめかみの部分に設置されたボタンを叩く。すると視界が急に狭まり、敵一機だけを映し出すまでになる。僕は、あまりに自然に体が動いた事に戸惑いを隠せなかった。
僕の脳が、その言葉を認知した途端。
視界に再び霞がかかり、目先が白くなる。少ししてから、僕の瞳にまた景色が戻ると、そこは先程とは打って変わり自然に包まれており、緑林は茂り、見上げると無限に拡がる蒼穹には、無慮数百を超えるかという程の鳥が羽ばたいており、喧しいくらいに鳴き叫んでいた。
美しい情景に感動していた僕は、ゴーグルにちらつく電子光を見て、まだチュートリアルの途中だったという事を不意に思い出した。瞬間、脳に穏やかな振動が走る。
『―――視界は、良好でしょうか?では、これから二つ目のチュートリアルを行います』
僕の視界が映るゴーグルに、一、二、三―――計五つの赤く小さな光球が浮かび上がる。
これは何だ、と首を傾げていると、もう一つぽつり、と青い光球が現れた。全く、状況が掴めない。
『モニターに、光が浮かんでいるのが確認出来るでしょうか?それは、貴方とこれからテストに現れ、迎撃するべき敵―――《Level.1 インプ》との位置関係を示したマップであり、赤の光は敵を、青の光は今貴方が搭乗している機体―――《Level.4 ジャッジマン》を表しています。その監理マップは青の光―――つまるところ、貴方を中心に展開しています。それを踏まえ、これから開始するチュートリアルクリアーに役立ててください』
無感情な音声が、脳髄を刺激する。
僕はこれから始まるテストの内容を概ね理解し、画面一杯に拡がる邪魔なマップを縮小し、ゴーグルの右下へと寄せる。どうにか開けた視界には、大体赤い光が位置する場所に、僕の目線―――とは言っても機体からの目線であるため、ここでの『僕』は全長十メートル以上に及ぶのだが―――から見て、胸くらいかそれより下くらいまでしかない小さな機体がぽつりと屹立していた。小さなそれは、か細い二脚に支えられており、脚と頭………なのかどうかは解らないが、ひらべったい板状の物が、直接連結している。いつの間にやら自然に動いていた右手は、ヘルメットにおけるこめかみの部分に設置されたボタンを叩く。すると視界が急に狭まり、敵一機だけを映し出すまでになる。僕は、あまりに自然に体が動いた事に戸惑いを隠せなかった。

