どんなに押し切ろうとしても、MHⅡは動かない。

まるで足に根でも生えているかのように、微動だにしなかった。

…同じ機関製の改造人間でも、MHは特別だ。

現在の科学技術で考え得る最高の技術を集めたサイボーグ。

たかだか試作型の改造人間に、押し負ける筈はない。

「…お前も…自我を奪われ、望んでもいない罪を重ねてきたのか」

改造人間に押されつつも、冷静にMHⅡは呟く。

「その掻き毟るような苦痛から、今俺が解き放ってやる!」