かすめる事もなかった蹴り。

しかしその切れ味によって。

「!」

私の首からペンダントが落ちた。

ロケットペンダント。

足元に落ちたそれを、MHⅡが拾い上げる。

「……」

ロケットを開けると、中には男女の寄り添った写真があった。

仲睦まじく微笑み合う男女。

そこには幸福しか写っていなかった。

…ロケットの蓋の部分には、ローマ字で名前が刻まれている。

「MAKOTO…TAKATSUKI…お前の名前か?」

MHⅡが訊く。