*** 練習終了後、公園を出て、おかっぱの家経由で帰ることにした。 おかっぱは自転車を引いて、おれのすぐ右側を歩いている。汗臭い。 おれは気付かれないように、そっと離れた。 「オイ、拓海」 ばれたか、と思ったが、違った。おかっぱはまっすぐ前を見ていた。 全国チェーンのレストランから人が出てきた。カップルのようだった。 ふたり並んで、おれたちには背を向けて歩いていく。