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ノックした2秒後、拓馬が勢いよく扉を開けた。
シャワーを浴びたばかりなのか、髪が濡れていて、むらさき色のバスローブを羽織っている。
「どうしたの、拓海。めずらしいな。まあ、入ってよ」
拓馬の部屋のテレビには、先日行われたテニスの大会の映像が映し出されていた。
録画しておいたものをいま見ていたのだろう。
「帰ってからもテニスのお勉強か? 天才なんだから、そんなこと必要ないだろ」
「努力をしなくても勝てる人がいるとすれば、それは天才かもしれないけど、僕はそうじゃないよ。相手よりも多くの努力をしてはじめて勝つことが出来るのさ」
拓馬はベッドの上にどかっと座った。
その勢いでバスローブが少しはだけて、むらさき色のもも引きのようなものが見えた。
バスローブは普通、素肌の上に着るものなんだが。
「セリフはかっこいいんだけどねえ」
「それで、なにか用?」
「ああ、拓馬に聞きたいことがあるんだ」



