「おれが、いたから?」
「高校に入ってから拓海と出会って、話すようになった。すぐにわかったわ。拓海は中学生の頃のオレに似てる」
あまりにも真面目に話すので、似てるわけないだろ、と茶化すのもためらわれた。
「拓海は劣等感の塊だったのよ。今でも完全に治ったわけではないけどね。ほっとくと、自殺でもしかねないと思った」
それはさすがに大げさだろうと思ったが、劣等感の塊だったのはたしかだ。
「オレは高校に入る前に吹っ切れたの。ブサイクなのはしかたない。それなら誰よりも明るくて、面白い人間になろうって」
「おかっぱ……」
「拓海にも、明るく生きて欲しいの。部長の分までとは言わない。だけど、生きている拓海やマネージャーには幸せになって欲しいのよ」
「おかっぱ、ありがとう。おれがこれからどう生きればいいのか、わかったような気がする」
「わかればいいのよ。ホラ、さっさと告白してきなさい。マネージャー、今も部長の部屋にいるんでしょ」
おかっぱは最後までおかっぱだ。思えば、この明るさに何度も助けられてきた気がする。
おれがこれからすべきこと。
おれは机の引き出しにしまってあった手紙を取り出した。
拓馬に渡された手紙は、死んでから、何度も読んだ。もう一度、読み返す。
「高校に入ってから拓海と出会って、話すようになった。すぐにわかったわ。拓海は中学生の頃のオレに似てる」
あまりにも真面目に話すので、似てるわけないだろ、と茶化すのもためらわれた。
「拓海は劣等感の塊だったのよ。今でも完全に治ったわけではないけどね。ほっとくと、自殺でもしかねないと思った」
それはさすがに大げさだろうと思ったが、劣等感の塊だったのはたしかだ。
「オレは高校に入る前に吹っ切れたの。ブサイクなのはしかたない。それなら誰よりも明るくて、面白い人間になろうって」
「おかっぱ……」
「拓海にも、明るく生きて欲しいの。部長の分までとは言わない。だけど、生きている拓海やマネージャーには幸せになって欲しいのよ」
「おかっぱ、ありがとう。おれがこれからどう生きればいいのか、わかったような気がする」
「わかればいいのよ。ホラ、さっさと告白してきなさい。マネージャー、今も部長の部屋にいるんでしょ」
おかっぱは最後までおかっぱだ。思えば、この明るさに何度も助けられてきた気がする。
おれがこれからすべきこと。
おれは机の引き出しにしまってあった手紙を取り出した。
拓馬に渡された手紙は、死んでから、何度も読んだ。もう一度、読み返す。



