「で、どこのどいつよ。
春の訪れをもたらしてくれたのは」
友達A、基、槍乃 美葉が気だるそうに言う。
「何で迷惑そうなんだよ、お前は」
で、うちは守藤 陸。
「いやいや、別に迷惑じゃないさ。
これからお前の惚気やら何やらを聞かなきゃいけないと思うと頭痛がするだけ」
「迷惑だって言いたいんだろ。
ようするに」
「分かってるじゃん」
「消え去れ」
「嫌なこった。
まぁ、お前も女の子だった、ってことでいいんじゃね?」
にやにやと笑うその顔を殴り飛ばしたくなる。
「でも、これからこの部室もピンク色になっていくんだねぇ…
いろんな意味で」
美葉が部室を見渡し、笑いながら言った。
うちらが入っている部活、正式名称は“漫画研究部”
これが正式名称なのも問題あるけど、実際やっていることは
“腐った人間”
による
“腐った活動”
うちの知り合いは『もうそれ部活動じゃなくて、“腐活動”(フカツドウ)だろ』って言ってた気がする。
うまく言ったもんだ。