そんなあたしの気持ちを知ってか知らずか、先生は構わず続ける。

最近の先生のボヤきっぷりは、あのノムさんにも匹敵するほど。

先生の場合、こういうのは“はいはい”って聞き流すのが一番。


「はぁぁ。江田ちゃんもそろそろ巣立ちのときかなぁ・・・・」

「そうですね」

「彼女にはフラれちゃうし、江田ちゃんは巣立っちゃうし・・・・。俺の人生、おもしろいことなんて1個もないなぁ」

「それはそれは。ご愁傷さまです・・・・って、え!! 彼女いたの!?」


ちょっとちょっと!!

初耳なんですけどもっ。

これは聞き流せないんですけど!!


「なに? ショック受けてくれてんの? さては江田ちゃん、俺のことが好きだったり?」


思わずガバッと頭を上げたあたしの目に映ったのは、ニタァっと笑ったあの俺様魔王の顔・・・・。

なな、なんだ?

もう復活しちゃったのか!?


「違います!誰が先生なんか!」

「なぁんだ、つまんないの」


くぅ〜っ。

先生までユカちゃんみたいなこと言わないでよねっ。