「で? と申しますと・・・・?」
でも、何がどうなってユカちゃんが“で?”と意味深な感じで聞くのか分からないあたし。
王子とあたしは友だちで、今はワケあって数学を教えてもらう、いわば先生と生徒みたいな関係。
そのほかに何があるんだろう。
「んもぅ!鈍すぎるよ茜ちゃん。朝は顔真っ赤だったくせにぃ〜」
あ、そうだそうそう!
ユカちゃんは、それから終始ニヤニヤしっぱなしだった。
ずっと、なんでだろう? って思っていたけど、もしかして・・・・。
“鈍い”と言われたあたしも、そこでようやくユカちゃんの言わんとすることが分かった。
要するに、あたしが王子を意識しているかどうか。もっと突き詰めると、王子が好きかどうか。
ユカちゃんはそれが聞きたいがために放課後のお茶に誘ったんだ。
・・・・やっと納得です。
「で、いかほど?」
「そう言われてもなぁ・・・・。ユカちゃんが聞きたいことは分かったけど、王子のことは分かんない」
そうだよ、分かんない。
知り合ってまだ1ヶ月だもん。


