『高校生になったらしたいこと』っていうアンケートを取ったら、間違いなく上位にランクインするよね、バイトって。
カフェとかコンビニとかスーパーとか、そのほかにも・・・・やってみたい仕事はたくさんある。
学業さえままならないあたしは憧れの範囲だけど、でもやっぱり、1回くらいはしてみたい。
「───って、茜ちゃん!? あたしの話、ちゃんと聞いてる?」
「・・・・えっ!?」
おしゃれなカフェ店員になったつもりでなんだかんだ妄想していると、ユカちゃんに怒られた。
少し語気を強めたその声で、ハッとして我に返る。
「もぅ・・・・。バイトの話はいいからさ、浅野君とはどうなのよっ」
「浅野君!?」
「そうだよ〜!さっきから聞いてんのにぼーっとしちゃって。聞くの、これで3回目なんだけど」
「そうだったんだ、ごめん」
「いいけど。・・・・で?」
どうやら、あたしがカフェ店員の妄想をしている間に話題が変わっていたらしい。
ジンジャーエールを飲んだユカちゃんが、鋭く光る視線をビシビシとあたしに向けてくる。


