「顔真っ赤だよ?」
「・・・・なっ!!」
「茜ちゃんかっわいぃ〜」
「ユカちゃんっ!! こらっ!」
と、次には冷やかされるあたし。
ホント、あたしには男の子に対して免疫というものがまるでない。
よくこんなんでフォークダンス踊れたなぁ・・・・と、ちょっと昔の自分に感心するあたしだけど。
・・・・はて。
また文庫本の続きを読みはじめた王子をちらっと見てみる。
それに気づいた王子が、顔を上げて少し首をかしげる。
「どうしたの、江田さん」
ドキッ・・・・。
ドキドキ、ドキドキ。
「ううん!なんでもっ!」
「そう」
どうしちゃったんだ、あたし。
なんだか急に王子にドキドキしはじめちゃったんですけど。
今の今までドキドキすることなんてなかったんですけど。
「茜ちゃん、今日の放課後、ちょっとあたしとお茶しない?」
「・・・・へっ?」
「今日くらい時間作ってよ〜。いいでしょ? ね?」
「うん、まぁ・・・・」
「よしっ、決まり!」


