36.8℃の微熱。

 
「顔真っ赤だよ?」

「・・・・なっ!!」

「茜ちゃんかっわいぃ〜」

「ユカちゃんっ!! こらっ!」


と、次には冷やかされるあたし。

ホント、あたしには男の子に対して免疫というものがまるでない。

よくこんなんでフォークダンス踊れたなぁ・・・・と、ちょっと昔の自分に感心するあたしだけど。


・・・・はて。

また文庫本の続きを読みはじめた王子をちらっと見てみる。

それに気づいた王子が、顔を上げて少し首をかしげる。


「どうしたの、江田さん」


ドキッ・・・・。

ドキドキ、ドキドキ。


「ううん!なんでもっ!」

「そう」


どうしちゃったんだ、あたし。

なんだか急に王子にドキドキしはじめちゃったんですけど。

今の今までドキドキすることなんてなかったんですけど。


「茜ちゃん、今日の放課後、ちょっとあたしとお茶しない?」

「・・・・へっ?」

「今日くらい時間作ってよ〜。いいでしょ? ね?」

「うん、まぁ・・・・」

「よしっ、決まり!」