そうしていると・・・・。
「朝からイチャイチャですか?」
「・・・・ユカちゃん!」
あたしより少し遅れて教室に入ってきていたらしいユカちゃんが、ニヤニヤしながら王子と握り合った手を見つめていた。
び、びっくりしたぁ。
「なによぉ、あたしが知らない間にそんなことになってたワケ? ひどいよね〜。友だちなのに教えてくれないなんてさぁ」
「いやいや、そんなことってどんなコト? 教えるって何を?」
あたしの質問を聞くと、あからさまに大きなため息をついて鞄を机の横にかけるユカちゃん。
ん? ・・・・なんだ?
「いいのいいの、こっちの話。それより茜ちゃん、そろそろ浅野君の手を放したら?」
「あ!ごめん浅野君!」
恥ずかしいぃぃ〜。
今までずっと握っていたなんて。・・・・全然気づかなかった。
急激に顔が火照りだすのを感じながら恥ずかしさのあまりバッと手を放すと、王子は「いいえ」と涼しい顔で微笑んだ。
男の子の手を握るなんて、中学のフォークダンス以来。
め、免疫が・・・・。


