36.8℃の微熱。

 
やがて車はいつもの見慣れた風景を映しだし、家が近くなったことを知らせはじめていた。

20分くらいのドライブで先生と話したことは、ラーメン屋さんでのお詫びと星について。

先生は星が好きらしい。

もっと大きく言うと、宇宙という存在そのものが好きだという。


「俺は物理学も数学の一部だと思うんだよね。どうして地球と太陽の距離や星との距離が分かると思う? 昔の学者たちが一生懸命計算したんじゃないかな」

「そうですね」

「すごいよね〜。どうして分かるんだろう。宇宙って不思議だ」

「そうですね」


なんて話をして、案外ロマンチストな一面を知ることになった。

きっと先生は水瓶座だ。

雑誌の星占いで水瓶座はロマンチストが多いと読んだことがある。

・・・・そんな話を聞かされて、先生に似合うと思ったあたしは、ちょっと変なのかもしれない。


「先生、もうここで大丈夫です」

「そう?」


家から200メールくらいのところで先生に車を停めてもらう。

今日は少し、星を見上げて帰りたい気分だったから。