36.8℃の微熱。

 
それどころか・・・・。


「江田ちゃんをダシにして笑いを取ったりしてごめんね。元気なかったからさ、笑わせてあげようと思ったんだけど。失敗だった」

「・・・・へっ?」

「だからごめんって。許して」


なんと先生は、あたしを怒らせたことを詫びてきた。

しかも2回も“ごめん”って。

・・・・どういう風の吹き回し?

あたし、真に受けてもいいの?


「・・・・ま、まぁ。いいですけど」

「ありがと、江田ちゃん」

「いえ」


でも結局は、疑っていてもこうして許しちゃうんだけど。

だって・・・・ねぇ。

謝られても許さないなんて、なんだかイヤな女っぽいじゃん。

それに先生、本当に申し訳なさそうな感じだし、あたしも別に再起不能になるくらい傷つけられたわけでもないし。

大したことじゃない。


もしかして・・・・。

これが細田さんが言っていた先生の“愛情”ってヤツなのかな。

それがちょぴっと分かった気がして、あたしはいつの間にか先生の横で頬を緩ませていた。