それどころか・・・・。
「江田ちゃんをダシにして笑いを取ったりしてごめんね。元気なかったからさ、笑わせてあげようと思ったんだけど。失敗だった」
「・・・・へっ?」
「だからごめんって。許して」
なんと先生は、あたしを怒らせたことを詫びてきた。
しかも2回も“ごめん”って。
・・・・どういう風の吹き回し?
あたし、真に受けてもいいの?
「・・・・ま、まぁ。いいですけど」
「ありがと、江田ちゃん」
「いえ」
でも結局は、疑っていてもこうして許しちゃうんだけど。
だって・・・・ねぇ。
謝られても許さないなんて、なんだかイヤな女っぽいじゃん。
それに先生、本当に申し訳なさそうな感じだし、あたしも別に再起不能になるくらい傷つけられたわけでもないし。
大したことじゃない。
もしかして・・・・。
これが細田さんが言っていた先生の“愛情”ってヤツなのかな。
それがちょぴっと分かった気がして、あたしはいつの間にか先生の横で頬を緩ませていた。


