「まぁまぁ江田ちゃん、そうカッカしないの。楽しもうよ」
「そうだよ茜ちゃん。柊がこんなに1人の女の子に執着するのは珍しいことなんだから」
コンニャロめが!! といきり立っていると、先生と細田さんがビミョーなフォローを入れた。
っていうか、あたしがカッカしているのは先生のせいだよね!?
なんでそこんとこが分からないかなぁ、23歳のいい大人が。
あたしの尊敬、返してほしい。
それに・・・・。
「執着だ? こっちはとっても迷惑してるんです!今日だってこうしてつき合わされて、塾に入るときだって脅迫までされて!」
そう、これ。
とうとう我慢ならなくなって、怒りの矛先を細田さんに向けた。
先生にはいくら言っても効き目がないから、親友っぽい細田さんに先生の悪口を思いっきり言ってやりたかったんだ。
細田さんは家族を持っているし、先生よりかは人間がしっかりしていそうだったから。
「それは柊のお気に入りってことだよ、茜ちゃん。残念だけどね」
でも、細田さんはそう言っただけで、先生の味方に回る。


