36.8℃の微熱。

 
細田さんに教えてもらった、照れているときになる“鼻ピクピク”をさせてあたしの頭をコツン・・・・全然痛くないゲンコツを1発。

そのあとすぐに、ふてくされてそっぽを向かれてしまった。


「ねぇねぇ、先生!」


けれどあたしは、それでもめげずに先生の腕をツンツンつつく。


「・・・・なんだよ」

「あたしと一緒に青春してね?」


前に少し言っていたんだ、高校生の頃の先生は無気力だったって。

だからさ、今度はあたしと。


「しゃあねぇなぁ。江田ちゃんとなら青春とやらをしてやるか」

「やったー!! あたしの青春、丸ごと先生に捧げますねっ!!」


そう言うと、先生はあからさまに迷惑がって顔をしかめたけれど。

ふふっ、まだ鼻ピクピクだ。


この調子だと、きっと「いつからあたしのコト好きだったの?」って聞いても答えてくれないね。

でも、いいんだ。

これから先生と過ごしていく中でじっくり聞き出すつもりだから。

あたしの青春ナメんなよ?

なーんてね。





-END-