36.8℃の微熱。

 
にわかにザワつきはじめる生徒たちの声を追い風にして、先生のもとへ真っ直ぐ、真っ直ぐ。

あとのことは、あとのこと、これから考えていけばいい。

そうしてあたしは先生の前へ。


「じゃあ、江田ちゃんちにケーキ食いに行くか。もちろん俺のぶんもあるんだろうな?」

「心配しないで。ちゃんとある」

「よし、乗って!」

「うん!」


困惑の表情を浮かべる生徒たちを尻目に、先生とあたしは黒丸へ乗り込みクリスマスの夜の中へ。

目指すは江田家・・・・のケーキ。


「そうだ、江田ちゃん」


赤信号で止まったとき、先生がふいにあたしを呼んだ。

「はい?」と先生のほうへ顔を向けると、その瞬間・・・・ちゅっ。

本日2度目のキス。


「ケーキの前に腹ごしらえ?」

「バカッ!!」


ニヤリと笑う先生の腕を、あたしは思いっきりバシバシ叩く。

不意討ちだ!! こんなの!!

だけど、次の赤信号で止まったときにあたしもお返ししてやった。

すると先生は・・・・。


「ババ、バカヤロッ!!」