にわかにザワつきはじめる生徒たちの声を追い風にして、先生のもとへ真っ直ぐ、真っ直ぐ。
あとのことは、あとのこと、これから考えていけばいい。
そうしてあたしは先生の前へ。
「じゃあ、江田ちゃんちにケーキ食いに行くか。もちろん俺のぶんもあるんだろうな?」
「心配しないで。ちゃんとある」
「よし、乗って!」
「うん!」
困惑の表情を浮かべる生徒たちを尻目に、先生とあたしは黒丸へ乗り込みクリスマスの夜の中へ。
目指すは江田家・・・・のケーキ。
「そうだ、江田ちゃん」
赤信号で止まったとき、先生がふいにあたしを呼んだ。
「はい?」と先生のほうへ顔を向けると、その瞬間・・・・ちゅっ。
本日2度目のキス。
「ケーキの前に腹ごしらえ?」
「バカッ!!」
ニヤリと笑う先生の腕を、あたしは思いっきりバシバシ叩く。
不意討ちだ!! こんなの!!
だけど、次の赤信号で止まったときにあたしもお返ししてやった。
すると先生は・・・・。
「ババ、バカヤロッ!!」


