そして、そのまま先生は続ける。
「でもさ、江田ちゃんにだけ2回も言わせられない。江田ちゃんはさっき俺に“勝ち”をくれるって言ったけど、それは逆」
「・・・・え、どういう?」
逆? 何が逆なんだろう?
訳が分からなくて聞き返すと、先生は「はぁぁーっ」と大きなため息をついて首筋から顔を放した。
それからグリッ!・・・・あたしの顔を強引に自分に向かせる。
けれど、暗闇にまだ目が慣れないあたしには先生の顔をきちんと認識することは難しく。
ぼんやりどころか全く見えない。
「あれ、どこ? 先生?」
「・・・・ったく。鳥目だから暗いのダメなのかよ。なんつー目をしてんだ、江田ちゃんは」
「あは、すいません」
いやいや、ホントね。
昔からそうだったんだ、気づいたときから暗いのがダメだった。
もう笑って謝るしかない。
「じゃあ、これなら見えなくても分かるだろ? てか感じろ!」
「えっ?」
するとコツン・・・・おでこに、先生のおでこらしきものが当たった。
かと思うと。


