すると、そんな声とともに、先生があたしの体をふわりと包んだ。
後ろから抱き起こされ、そのままぎゅぅーっと抱きしめられる。
「あ、あの・・・・先生?」
「だからゴメンって。停電なんかじゃない。電気消したの、俺」
「はっ!?」
停電じゃないの!?
あ、そういえば・・・・。
電気のスイッチは暖房のスイッチと並んで壁に埋め込まれているのだけど、先生はそれを背にしてあたしと話していた。
だから先生には後ろ手に電気を消すことが可能だったってワケか。・・・・全然気がつかなかったけど。
でもなんで!? なんであたし、先生にぎゅぅーって?
暗いし抱きしめられる意味が分からないし、ますますパニックだ。
そんな中、先生はさらに抱きしめる腕に力を込め、あたしをパニックの渦に容赦なく放り込む。
「ゴメン、もう言わなくていい。今日の江田ちゃん、ホントにかわいくてさ。もう1回“好き”って言われたい、なんて欲が出た」
そう絞り出すように言って、あたしの首筋に顔を埋める。
髪や息が当たってくすぐったい。


