36.8℃の微熱。

 
それは、あたしの完全なる敗北。

分かりきってたコト・・・・そうなんだよね、どうあがいたって先生を好きな気持ちは消えなかった。

すっごく好きで。

好きで好きで、大好きで。

だから今日、もう一度“好き”を届けにここまで来たんだ。


「じゃあ、そんな先生にもう一つ“勝ち”をプレゼントします」


先生をスッと見据える。

もう目はそらさない。


「・・・・勝ち?」

「うん、先生には迷惑な“勝ち”かもしれないけど、どんな勝ちでも嬉しいでしょ?」

「まぁ、な。そりゃ」


支えてくれたみんなのおかげで、今、あたしはここにいられる。

先生と向き合えている。


「あのね、あたし」


受け止めてほしいとか、受け入れてほしいとか、そういうことは最初から望んでなんかいない。

けど、ただ、届け。

先生の心のどこか片隅にでも、あたしの気持ちが届いたらいい。


「あたし、先生が好───・・」


“きです”

そう言いかけたときだった。


「───き、きゃぁぁぁぁっ!!」