それは、あたしの完全なる敗北。
分かりきってたコト・・・・そうなんだよね、どうあがいたって先生を好きな気持ちは消えなかった。
すっごく好きで。
好きで好きで、大好きで。
だから今日、もう一度“好き”を届けにここまで来たんだ。
「じゃあ、そんな先生にもう一つ“勝ち”をプレゼントします」
先生をスッと見据える。
もう目はそらさない。
「・・・・勝ち?」
「うん、先生には迷惑な“勝ち”かもしれないけど、どんな勝ちでも嬉しいでしょ?」
「まぁ、な。そりゃ」
支えてくれたみんなのおかげで、今、あたしはここにいられる。
先生と向き合えている。
「あのね、あたし」
受け止めてほしいとか、受け入れてほしいとか、そういうことは最初から望んでなんかいない。
けど、ただ、届け。
先生の心のどこか片隅にでも、あたしの気持ちが届いたらいい。
「あたし、先生が好───・・」
“きです”
そう言いかけたときだった。
「───き、きゃぁぁぁぁっ!!」


