「だって、なに?」
先生が試すようにクスクス笑う。
きっとものすごく赤いだろうあたしの顔をその目にとらえて“江田ちゃんに言えるかな?”って。
どこまで俺様魔王なんだ・・・・。
もういい加減、ひねくれ者の先生に振り回されるのはうんざり。
「ふんだ、なんでもねーですよ!てか先生こそっ!! いつからあたしのコト見てたんですか? 覗き見なんて趣味悪いよっ!」
それに、これ。
推測するに、先生は教室に来てからのあたしの独り言や行動を一部始終見ていたっぽいのだ。
くしゃみしかり、百年の恋も冷めるって言ったことしかり・・・・覗き見なんて、ホント趣味が悪い。
「覗き見じゃないよ。江田ちゃんが変なことを言ったりしたりするからだろ? 観察だよ、観察」
「あたしのせい!?」
「フフン。江田ちゃんは、俺にはとうてい適わない。前から分かりきってたコトじゃん。だろ?」
「・・・・むぅ。そうでした」
「俺の勝ちだ」
けれど、この通り。
あたしは先生には適わない。
・・・・きっと、全てが。


