マリアンヌさんも、そう。
もう一度告白を決意することができたのも、お母さんに先生を好きだと打ち明けられたのも、マリアンヌさんの力が大きい。
あのとき手紙を受け取っていなかったら、きっと今ごろ、あたしは先生を諦めたままクリスマスを過ごすことになっていた。
くすぶる微熱を体の奥に押し込めて、もう熱は下がったと自分に嘘をついて、非日常な日常の中を。
先生を好きじゃないあたしなんて“あたし”じゃないもん・・・・。
今ならはっきり言える。
あたしは“先生を好きなあたし”が好き、マリアンヌさんと同じようにそんな自分が大好きだ。
「・・・・みんな、行ってくるね」
そう言ってスッと立ち上がり、定期券を見せて改札をくぐる。
間もなくして電車がホームにゆっくりと滑り込んできて、あたしは笑ってそれに乗り込んだ。
今、会いに行くよ、先生。
もう一度“好き”を届けに・・・・。


