36.8℃の微熱。

 
マリアンヌさんも、そう。

もう一度告白を決意することができたのも、お母さんに先生を好きだと打ち明けられたのも、マリアンヌさんの力が大きい。


あのとき手紙を受け取っていなかったら、きっと今ごろ、あたしは先生を諦めたままクリスマスを過ごすことになっていた。

くすぶる微熱を体の奥に押し込めて、もう熱は下がったと自分に嘘をついて、非日常な日常の中を。


先生を好きじゃないあたしなんて“あたし”じゃないもん・・・・。

今ならはっきり言える。

あたしは“先生を好きなあたし”が好き、マリアンヌさんと同じようにそんな自分が大好きだ。


「・・・・みんな、行ってくるね」


そう言ってスッと立ち上がり、定期券を見せて改札をくぐる。

間もなくして電車がホームにゆっくりと滑り込んできて、あたしは笑ってそれに乗り込んだ。


今、会いに行くよ、先生。

もう一度“好き”を届けに・・・・。