36.8℃の微熱。

 
「何言ってんだよ、あんなきれいな嫁さんもらって。細田のほうがやるだろ。もうすぐ2人目なんて犯罪だっつーの」

「はははっ。そう言うなよ、柊。運命ってヤツだよ、運命」

「運命ねぇ・・・・」

「そう。運命」


そしてこの2人、何やらただのお客さんと店員さんの関係ではないご様子。

カウンター越しで飛び交う会話は何年もの友情を感じる。


細田さんに奥さんがいて、すでに子持ちだったのにも驚いたけど。

先生の友だちは、みんな先生のような“俺様”とか“イケメン”の部類の人が多いと思っていたからそれにも驚いた。

・・・・ホントにあたし、細田さんや奥さんにすんごく失礼だけど。


「で、かわいいお嬢ちゃんのお名前は? なんていうの?」

「あ、あたし?」

「お前、どこのオヤジだよ!」


今度はあたしに話を振ってきた細田さん。・・・・お嬢ちゃんって。

まぁ、細田さんからすれば“お嬢ちゃん”なんだろうけど、そのオヤジくささは一体どこから来るんだろうか。

先生と同年代じゃないの?

しかも先生、笑いすぎだし。