「何言ってんだよ、あんなきれいな嫁さんもらって。細田のほうがやるだろ。もうすぐ2人目なんて犯罪だっつーの」
「はははっ。そう言うなよ、柊。運命ってヤツだよ、運命」
「運命ねぇ・・・・」
「そう。運命」
そしてこの2人、何やらただのお客さんと店員さんの関係ではないご様子。
カウンター越しで飛び交う会話は何年もの友情を感じる。
細田さんに奥さんがいて、すでに子持ちだったのにも驚いたけど。
先生の友だちは、みんな先生のような“俺様”とか“イケメン”の部類の人が多いと思っていたからそれにも驚いた。
・・・・ホントにあたし、細田さんや奥さんにすんごく失礼だけど。
「で、かわいいお嬢ちゃんのお名前は? なんていうの?」
「あ、あたし?」
「お前、どこのオヤジだよ!」
今度はあたしに話を振ってきた細田さん。・・・・お嬢ちゃんって。
まぁ、細田さんからすれば“お嬢ちゃん”なんだろうけど、そのオヤジくささは一体どこから来るんだろうか。
先生と同年代じゃないの?
しかも先生、笑いすぎだし。


