いよいよなんだ───・・。
そう思うと、異様なまでの緊張で足がガクガク震えてきた。
加えて、ユカ様と別れたことで急に心細くなったあたしは、立つことさえままならなくてその場にしゃがみ込んでしまった。
「・・・・頑張れ、あたし」
力が入らない足をさすって、なんとか立ち上がろうと試みる。
10分の余裕があるといっても、こうしている間も発車時刻は刻一刻と迫ってきているんだ。
急がなきゃ。
改札もくぐれないままじゃ電車にだって乗れやしない、先生に会いに行けない・・・・みんなの気持ちが無駄になっちゃう!!
それだけは絶対嫌だ!!
そう思ったときだった。
「あっ───・・」
急に体が軽くなって、心細さも足の震えもピタリと消えた。
そうだ、あたし・・・・。
何を恐れていたんだろう、何を一人で頑張っているつもりになっていたんだろう・・・・あたしにはみんながついているじゃない。
ユカ様、王子、お母さん、細田さんにマフラーのおばあちゃん、おじいちゃんのご夫婦、あんこに、たぶんお兄ちゃんも。


