36.8℃の微熱。

 
いよいよなんだ───・・。


そう思うと、異様なまでの緊張で足がガクガク震えてきた。

加えて、ユカ様と別れたことで急に心細くなったあたしは、立つことさえままならなくてその場にしゃがみ込んでしまった。


「・・・・頑張れ、あたし」


力が入らない足をさすって、なんとか立ち上がろうと試みる。

10分の余裕があるといっても、こうしている間も発車時刻は刻一刻と迫ってきているんだ。

急がなきゃ。

改札もくぐれないままじゃ電車にだって乗れやしない、先生に会いに行けない・・・・みんなの気持ちが無駄になっちゃう!!

それだけは絶対嫌だ!!

そう思ったときだった。


「あっ───・・」


急に体が軽くなって、心細さも足の震えもピタリと消えた。

そうだ、あたし・・・・。

何を恐れていたんだろう、何を一人で頑張っているつもりになっていたんだろう・・・・あたしにはみんながついているじゃない。

ユカ様、王子、お母さん、細田さんにマフラーのおばあちゃん、おじいちゃんのご夫婦、あんこに、たぶんお兄ちゃんも。