そう。
“いつもの”時間と場所で告白をする予定ではあるけれど、先生には何も連絡をしていない。
今日が出勤だってことで場所を教室にしただけで、休みなら部屋まで押しかけるつもりだった。
告白の時間を夜にしたのは、ユカ様にメイクをという予定もあったけど、飲んべぇな先生のこと。
もし休みなら、前の日は飲んで、夕方から夜にかけての時間帯にしか起きないだろうから。
そう踏んで、予定を立てた。
2人して駅に駆け込むと、ユカ様が乗る電車がホームに来ていた。
「じゃあね、茜ちゃん!よいクリスマスを!検討を祈るっ!!」
「ゴメンね、ありがとう!! ユカ様もよいクリスマスを!ホントありがとう、楽しんできて!」
急いで飛び乗るユカ様とそんな短い会話を交わして、先に線路に消えていく電車を見送る。
あたしが乗るのはユカ様と逆方向の電車で、時刻表を見ると、あと10分程度の余裕があった。
「あと10分・・・・」
小さく声に出してみる。
その電車に乗れば、30分もなく塾に着く。いよいよなんだ。


