内心は冷や汗ダラダラで眉毛の行方を心配するけど、ちょっとでも動いたらそれこそ“まろ”だ。
“まろ”になるか任せるかといったら、任せるしか方法はない。
「もういいよ。目、開けても」
2〜3分の後、ユカ様の許しが出てあたしはようやく目を開ける。
すると───・・。
「おぉ〜!! まろじゃない!!」
「そこですかいっ!」
いやいや、それだけじゃなくて。
鏡の中に映るあたしは、いつもの“あたし”からは想像もつかないほど大人びていて、まるで魔法にかかったみたいだった。
ファンデは薄付き、チークはほんのりピンク色、眉毛もいい感じ、艶めくグロスはモデルの善し悪しはともかくセクシーで。
アイメイクをマスカラだけにしたのがよかったみたいで、顔全体の印象を“ちょっと背伸びしてみました”的に演出していた。
「ユカ様ありがとぉ〜!! あたし見違えてる!! すごいよ!!」
「モデルがいいからね♪」
ユカ様はそう言うけど、ううん、これは100%ユカ様のおかげ。
ホント、すごい。ありがとう。


