36.8℃の微熱。

 
「ゴメン、やりすぎた」と謝る子もいれば「泣くなよキモい!」なんて悪態をつく子もいるけれど。

みんな気持ちは一緒で、そんなバンビが大好きなんだよね。

「俺、愛されてるぅー!!」って喜ぶバンビは担任としてはまだまだかもしれないけど、人間としては文句なしに大好きだ。

自称・愛されているバンビなくしては、3学期も楽しく過ごせそうにない。・・・・いやいやホント。


「ふふっ、あんなに喜んじゃってバンビはホント単純だよね」

「そこがバンビらしいけどね」


ユカ様とあたしは、クラスメイトに囲まれてニコニコ笑うバンビを見ながら帰る準備を進める。

落ち込ませたり泣かせたり、その原因はあたしたちが追いかけっこをしてしまったからだけど。

きっと一番にバンビに声をかけなくちゃならないんだろうけど。


「めちゃめちゃかわいくメイクしてあげるから、しっかり伝えてきなよ? 茜ちゃんの気持ち!!」

「うん!」

「よしっ、帰ろう!」

「ラジャー!!」


ぶっちゃけそれどころじゃない。

告白が待っている───・・。