「じゃあみんな、短いけどよい冬休みを。解散〜・・・・」
みんなから白い目で見られすっかり意気消沈したバンビは、終業式後のホームルームもそこそこに気のない解散を宣言した。
もぅ、バンビはなんて分かりやすい性格をしているんだか。
これだから憎めないのよね。
「バンビ〜、ちょっと悪ふざけしただけだよぉ、校長に訴えるワケないじゃん。元気出しなよ!」
「そうだよ、俺たちバンビが担任じゃないと困るよ。いちいち真に受けすぎなんだよ、ガキが!」
「バンビのコト嫌いだなんていつ言った? 1年間ありがとー!!」
肩をがっくりと落としトボトボと教室を出ていこうとするバンビにみんなが一斉に声をかける。
その声でみるみるうちに顔をふにゃふにゃにさせていくバンビは。
「・・・・おおお、お前らぁぁぁ!! ふざけんなっ!! 来年から職無しになったらどうしようってマジでビビったじゃねぇかよっ!!」
と怒ったかと思うと、そのあと本気でオィオィ泣いてしまった。
ホント、今日はバンビ災難ね。
ま、そこがかわいいんだけど。


