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ということで。
あたしは今、先生に無理やり連れられてラーメン屋さんにいる。
・・・・もちろん、誰かさんが破いた紙をきれいに掃除してから。
「ここの煮玉子が美味いんだ。半熟加減が最高でさ〜」
隣には、至福の表情を浮かべながら煮玉子を食べる先生がいて。
カウンターの向こうには、汗だか湯気だか・・・・どっちか判断が難しい体型の男の人がいる。
ブヒブヒ言いそうな、そんな豚さん似の男の人だ。
「なぁ細田、今日のスープもいいダシ出てるな〜。美味いよ」
「だろ? 俺でダシ取ってるからな。美味いはずだ」
うげ〜。
目の前にいるこの豚さんでスープのダシ取ってるの!?
しかも名前が細田って!
名前と体型がちぐはぐです。
2人に気づかれないよう、飲みかけたスープをそっと戻した。
「にしても、かわいい子連れちゃって。柊もなかなかやるな」
豚さ・・・・細田さんは、そう言ってほとんど線の目を細めて笑う。
う〜ん、したたり落ちる汗がもうダシにしか見えません。


