36.8℃の微熱。

 
───*。゚



ということで。

あたしは今、先生に無理やり連れられてラーメン屋さんにいる。

・・・・もちろん、誰かさんが破いた紙をきれいに掃除してから。


「ここの煮玉子が美味いんだ。半熟加減が最高でさ〜」


隣には、至福の表情を浮かべながら煮玉子を食べる先生がいて。

カウンターの向こうには、汗だか湯気だか・・・・どっちか判断が難しい体型の男の人がいる。

ブヒブヒ言いそうな、そんな豚さん似の男の人だ。


「なぁ細田、今日のスープもいいダシ出てるな〜。美味いよ」

「だろ? 俺でダシ取ってるからな。美味いはずだ」


うげ〜。

目の前にいるこの豚さんでスープのダシ取ってるの!?

しかも名前が細田って!

名前と体型がちぐはぐです。

2人に気づかれないよう、飲みかけたスープをそっと戻した。


「にしても、かわいい子連れちゃって。柊もなかなかやるな」


豚さ・・・・細田さんは、そう言ってほとんど線の目を細めて笑う。

う〜ん、したたり落ちる汗がもうダシにしか見えません。