36.8℃の微熱。

 
「じゃあまず、そのトラウマを解決することから始めてみよう」


そう言った先生は、さっきまであたしが解いていた問題用紙をビリビリと破りはじめた。

まだ手をつけていない紙も、答えを書いた紙も、なんの迷いもなくビリビリと・・・・。


「ちょっ!! せっかく作ったのにどうしてですか!?」

「これじゃダメなんだよね」

「ダメ?」

「そう。紙の上の数学なんてつまらないでしょ? 江田ちゃんスペシャル仕様にしようと思って」


スペシャル仕様?

そりゃ、紙の上の数学なんてつまらないけど・・・・どういうこと?

机や床にヒラヒラと落ちる破れた紙を見ていると、きっと片付けるのはあたしなんだろうなぁとか、関係ないことを考えてしまう。


「んじゃ、とりあえずラーメン食いに行こう!腹ペコなんだよね」


全ての紙を破り終わると、先生は突拍子もないことを言いだした。


「はっ?」

「いや、だから、晩メシ食いに行こうって言ってんの。大丈夫。後でちゃんと家まで送るし」

「・・・・はっ!?」


いやいやいや。