36.8℃の微熱。

 
聞くと「二択だよ」と言う王子。

あたしの真意を計るような、でもとっくに気づいているような目でじっとあたしの目を見てくる。


「宇佐美さんに正直に話すか、このまま話さないで秘密にしておくか、決めるのは茜。俺は茜がそうしたいってほうに協力する」

「・・・・そんなの話すに決まってんじゃん。何言ってんのよ浅野君、ユカ様とは同盟も組んでるし、隠し事なんてそんなのダメ」

「そう。ならそっちに協力する」

「うん、ありがとう」


そうだよ、そうそう。

何を迷っていたんだろう、あたし・・・・ユカ様との間には隠し事なんてあっちゃダメなんだよ。

もう“片恋”じゃなくなったけど協力しあおう!って同盟まで組んでいるんだ、ダメダメ。

王子に言われてやっと決心がついたよ、やっぱり言わなきゃならないことは言うべきだ。

うん・・・・!!


「でも、本当のところはまだちょっと迷ってるんじゃない?」


ギクリ。

やっぱり王子、鋭くなった。

けしかけられないと気持ちが固まらないのも、それでも迷いがあるのも全部お見通しだ。