「うん、実は、ユカ様に告白をさせるにあたって言わなかったことがあるの。・・・・先生とあたしが、ユカ様より先にサトルさんの気持ちを知ってたコト」
騙すような形で告白をさせることになってしまって、今さら遅いけど胸がチクチク痛む。
いくらユカ様を元気づけるためだったとはいえ、やりすぎだったと後悔する部分もあったりして。
でも、幸せそうに笑う顔を見ていると告白を勧めた本当のわけを言い出せなくて・・・・堂々巡り。
「そういうことかぁ。なかなか難しいね。あとになればなるほど言えなくなる類いの話だ」
「うん、そうなの」
「でも当の宇佐美さんはあんな感じだし、茜もツラいね」
「・・・・」
王子もあたしも、それからしばらくの間、どうにもあとに続く言葉が見つけられなくて。
何度も大きなため息をついては、飲み物に手を伸ばしたりポテトをつまんだり・・・・そればかり。
けれど。
やがてお互いのトレイの上に食べる物がなくなると、王子はスッと顔を上げてあたしを見た。
「茜はどうしたいの?」
「どう、って?」


