36.8℃の微熱。

 
サトルさんもサトルさんでいろいろ考えていて、自分が今置かれている大学生という“立場”をすごく気にしていたこと。

その立場から、サトルさんは引け目みたいなものを感じていたんだろう・・・・女子高生に手を出してもいいのかと悩んでいたこと。


でもあたしには、どうしてサトルさんがそこまで立場を気にするのかが分からなくて。

「そんなの関係ない」「意味分かんない」と、納得できなかった。

そうして強情になっていると、先生はこう言ってユカ様たちに光りを示してくれたんだ。


『その強情がカギだよ』と。


男の人には押しに弱い部分があって、ケースバイケースではあるけれど、気持ちを言ってもらって覚悟が決まることもある。

だから、ユカ様にもう一度告白をさせなさい、あたしには、ユカ様の気持ちをその方向に持っていってやりなさい、と。

そういうことだった。


「・・・・まぁ、話は分かったよ。それで茜は何を悩んでるの?」


一部始終を話し終えると、王子は不思議そうに聞いてきた。

今にも“よくやったじゃん”と言いたげな顔をして。