36.8℃の微熱。

 
それからしばらくして、駅前のマックに着いた王子とあたし。

1ヶ月も経てば忘れられたという予想通り、店に入ったときも注文をしたときも店員さんはほかのお客さんと変わらない接客で。

正直なところ、ドキドキしていたぶんホッと胸を撫で下ろした。


「・・・・で、さっそくだけど、宇佐美さんに話したいことって?」


適当な席に腰を下ろすと、王子が“新発売のヤツ”の包みを解きながら聞いてきた。

あたしは「えっとね」と、頭の中で話す順番を組み立てながらアイスティーにシロップを落とす。


「実は、ユカ様とサトルさんは最初から両想いだったの。ユカ様、前にも1度告白しててね、そのときは“えっ? まさか俺のこと好きだったの?”って言われてすごい落ち込んじゃってて」

「うん」

「あたし、なんとかして元気づけてあげなきゃって思って。だけど少しもその方法が思いつかなくて・・・・先生に相談してみたの」

「うん」


そこまで言ってハッとして、チラリ・・・・王子の顔色を窺う。

“先生”は王子にとったら禁句。

地雷、踏んだかも。