36.8℃の微熱。

 
2人きりで話すなんて、図書館に呼び出されたとき以来だ。

ううっ、困った。どうしよう。

そうして黙っていると、相当あたしが困った顔をしていたのか、王子はププッと吹き出して。


「何そんなに固くなってんだよ。別にもう告白しようだなんて思ってないから。身構えられると逆に傷つくんですけど?」


と、冗談めかして言った。

それから、ふいに真面目な顔になってこうも言う。


「今日の宇佐美さんを見たところだと、当分はあんな調子だと思うよ。いつ話せるか分からない、急ぐこともありそうだけど?」


ギクリ・・・・。

あたしの心の中を全て見透かしたような王子の目に、一気に体の熱が引いて息苦しくなる。

王子、鋭くなった?


「ほら、図星な顔だ。俺じゃ役不足だろうけど、聞かせてよ。何かアドバイスできることがあるかもしれない。友だちとして」

「・・・・う、ん」


参りました、王子。

“友だちとして”なんて言うんだもん、きっとそれを口にするのはまだ苦しいはずなのに・・・・。

ありがとう、それからゴメン。