壁全体がガラス張りになっているとってもオシャレなこの塾。

当然、あたしたちが座っているところも中から外の様子が見える。

そこに映るあたしの頭は、グッチャグチャのモッサモサ。

朝、頑張ってセットした髪型も、今はもう見る影がなかった。


「・・・・先生ってドSですよね」


かわいそうな頭をなんとかしようと、手ぐしで整えながらぽつり。

すると先生は、ガラスを鏡代わりに使うあたしと目を合わせ、ニンマリと微笑みながらこう言った。


「江田ちゃんはドMだよね」

「はっ?」

「俺にイジメられて楽しそうな顔しちゃってさ。かっわい〜」

「・・・・はぁっ!?」


その叫びとともに、あたしは勢いよく立ち上がった。

声を大にして聞きたい。

先生は、あたしのどこら辺を見て“楽しそう”なんて答えを出したんでしょーか!?!?

ちゃんちゃらおかしいです!!


「まぁまぁ。そんなに興奮なさらずに。かわいいって褒めてるんだよ? 素直に受け取りなさいな」

「できるかっ!それ、全っ然褒めてないですよね!?」