「江ー田ーちゃーん!」
「しゅびばしぇん!!」
まつ毛の長さに気を取られていたら見事に何も聞いていなくて、先生にほっぺたをつねられた。
ほー、イタタタ〜。
「プッ。ブッサイクだなぁ」
「先生がそうさせたんじゃん!」
「元からじゃなかったっけ?」
「なにおぅ!?」
こんの、減らず口めが!!
ジンジン痛むほっぺたをさすりながら、先生をキッと睨み上げる。
つねられたところから先生の体温が入ってきて、否応なしにあたしの熱が上がるのも、きっとこの人は気づいているはず。
だから余計に悔しいのだ。
こういう人だってよく分かっているはずなのに、どうしても惹かれてしまうあたし自身が。
「ちょっとちょっと〜、そんなに睨まれると教えたくなくなっちゃうんだけど。ユカ様に学校休まれてもいいワケ?」
すると、そう言って先生がまたもや得意げな目で見下ろしてきた。
現金なヤツだと言われてもいい、あたしは尻尾を振って飛びつく。
「えっ!! 閃いたの!?」
「うむ」
「先生!」


