「で、閃きました?」
気を取り直して聞いてみる。
サトルさんの発言にショックを受けて、さらに、今まで王子やあたしに言ってきたことを“何様なんだ”と責めているユカ様。
彼女の落ち込みの度合いは半端じゃなくて、しかも泣いたんだ。
ただごとじゃない。
「んな急かすなよ。俺の頭脳をもってしても、そんなすぐには閃かない。時間がかかる」
「そんなぁ!!」
「うるさいな。いいからホラ、さっさと問題を解け。頑張るんじゃなかったのか? 数学」
「・・・・むう。そうでした」
けれど先生はこの通り。
さりげなく自慢してきた頭脳でも閃くには時間が必要らしく、代わりに問題を指差した。
そう言われては仕方なくて、あたしは問題と向き合うことに。
先生の部屋のベッドで告白したとき“数学をもっと頑張る”と宣言したことが嘘になってしまう。
けれど、やっぱりというか、お約束というか・・・・数秒でワケが分からなくなってしまって、助けを求めて顔を上げることになった。
すると───・・。
ほへぇ〜。


