36.8℃の微熱。

 
「で、閃きました?」


気を取り直して聞いてみる。

サトルさんの発言にショックを受けて、さらに、今まで王子やあたしに言ってきたことを“何様なんだ”と責めているユカ様。

彼女の落ち込みの度合いは半端じゃなくて、しかも泣いたんだ。

ただごとじゃない。


「んな急かすなよ。俺の頭脳をもってしても、そんなすぐには閃かない。時間がかかる」

「そんなぁ!!」

「うるさいな。いいからホラ、さっさと問題を解け。頑張るんじゃなかったのか? 数学」

「・・・・むう。そうでした」


けれど先生はこの通り。

さりげなく自慢してきた頭脳でも閃くには時間が必要らしく、代わりに問題を指差した。


そう言われては仕方なくて、あたしは問題と向き合うことに。

先生の部屋のベッドで告白したとき“数学をもっと頑張る”と宣言したことが嘘になってしまう。

けれど、やっぱりというか、お約束というか・・・・数秒でワケが分からなくなってしまって、助けを求めて顔を上げることになった。


すると───・・。


ほへぇ〜。