36.8℃の微熱。

 
いやいやいや。

今は自分のことよりユカ様だ。

そう思い直して何度か小さくかぶりを振り、先生の言葉を待つ。


「うーん・・・・、立場って言ってもなぁ。江田ちゃんが言いたいのはあれでしょ? 自分の恋がうまくいっていないのに、他人の恋にとやかく口を出す資格はあるのか、ってコトでしょ?」

「そうなんです。なんかね、すっごい落ち込んじゃって。ユカ様」

「ああ、海の家のときの」

「へぃ」


ユカ様が落ち込んでいると、あたしまで暗い気分になっちゃう。

お互いに励まし合おう!と組んだ同盟なのに、一緒になって落ち込んでちゃ意味がないけど。

でも、元気づけてあげられる案がちっとも浮かばないんだもん。

バカだから。

頼っちゃうよね。


「はああぁぁぁ〜。このままじゃユカ様、学校まで休んじゃいそうなんですよ。先生の閃きでなんとかならんもんですかねぇ」

「江田ちゃん、バカだもんね」

「うっさいですよ」


チッ。

思ったことと同じことを言いやがって!・・・・実際そうなんだから、まぁ仕方がないけど。